H29年税制改正で役員へのストックオプションを損金算入出来る度合いが実質的に縮小しました。

H29年税制改正によってストックオプションは損金算入出来なくなるか

こんにちは。H29年税制改正の中で、役員に付与するストックオプションの損金算入についての改正がトピックとなっていますね。
そもそもストックオプションとは、あらかじめ決められた価格を払い込むことで、株式を購入できる権利、のことです。あらかじめ決められた価格というのを、設計上は自由に決められますので、この価格を1円に設定する、いわゆ
る1円ストックオプションが、日本企業でも最近は増えてきていました。欧米などでは、会社の経営層には、キャッシュによる固定報酬を報酬として支払うよりも、自社の株式を報酬としてキャッシュのかわりに支払うことが一般的です。株式を受領した経営者は、この株式を資産としてとらえ、必要に応じて売却したり、あるいは保有して配当をもらったり、あるいは株価が上昇したタイミングで売るために高くなるまで待っていたりします。
このような資産としての株式の価値は株価によって決まりますが、株価は会社の業績を投資家が判断して株を売り買いすることで、上下します。従って、経営者には、現金で報酬をもらうよりも、株価を維持、上昇させる、すなわち業績を向上させるインセンティブが強くわく、という仕組みです。
日本では、権利行使価格を1円に設定することで、1円で株式がもらえる権利、すなわち、株価と1円の差額が自分の利益となる、1円ストック
オプションが一般的になってきていました。
経営者(会社法上の役員)は、自分で自分の報酬を決められる立場にあるため、業績がいいときには自分の取り分を増やしたりすることも使用と思えば出来ます。ただ、これではいつまでも法人税の税収が増えませんし、また、残った利益の最終的な分配者である株主へも適正な利益がわたるとはいえないことから、役員への報酬は、年のはじめにあらかじめ最大いくらまでという枠を株主総会で株
主に承認してもらいその額までしか報酬を出すことは出来ず、かつ、事前に税務署に届け出た額までしか法人税上の損金に算入することができませんでした。
しかしながら、このストックオプションについては税制がそこまで整備仕切れておらず、役員に対するものであっても上述のような制限がなく損金算入が可能でした。これでは制度上の不備だということで、今回の税制改正が行われ、ストックオプションについても、事前に届け出た分
までしか、損金に入れることは出来ないとされました。
税制が整備され、公正性が担保される仕組みになったのはいいことですな。健全なインセンティブに健全な経営精神が宿る、といえるでしょうか。




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